― A地区・ヨミフクロウ像 ―
[C地区から南下。区役所の方へと逆戻り。
爆音を轟かせる一台のバイクがB地区の最南端、ヤマタ電機付近へと。
そうして、ひたすらに風を切ってここまで来た。
道中、騒がしい箇所があった気がするが――騒がしいなら尚の事、静かな方へと向かいましょう。
奇妙な高揚感。どこか遠足前の子供じみた瞳の色で、派手なアクションで停車。
今度は投げ出すこともなく、コドモにも地面に降りるよう促してから、ガシャンという音と、灰に還る機体。]
――呪縛から解き放て、ったって。
ただの銅像、だよなァ。
[目を細め、ソレに歩み寄りつつ、男は煙草に火を点ける。
ふわり、と漂った靄の中、質量を確かに現れたのは、先ほど投げ捨てたのと同じ――グロック17。
スタンダードな見た目のソレを、やはり男は詳しく知ることはなかったが、発砲する構えだけは整えて、また一歩、足を踏み出す。
男が地面に埋まったノイズシンボル>>#2に気が付くことはなく――、]
(177) 2015/03/14(Sat) 03時半頃