〔ヨーラとともに教会へ向かう。これから聞かされる内容を思うと足取りは重く、ヨーラとも必要以上の会話はしなかった。
―教会―
アイリスと挨拶を交わすが、やはり談笑するような気分ではない。村長の話を待つ。
そして知らされるサイモンの死。投票。処刑…。
吐き気がした。身体の震えが止まらない。今にも膝から崩れ落ちそうになったとき、ヨーラから手を繋がれる。
それだけで、心が安らいだ。リンダもその手を強く握り返す。
…
村長の話は終わった。
未だ怒号や悲観に満ちた教会を出る。いつまでもこの場所に居たくなかった。
するとヨーラが「大切な用があるから」と言って駆け出した。スルリと解かれた手。
(!!ま、って……)
かすれた声しか出ない。
聞こえなかったのだろう、ヨーラは振り返らずに去っていく。〕
ヨーラ…、ま、って……
(待って…!!ねぇ、待ってよ……!!)
〔もう声は届かない。ヨーラだけでいいのに。ヨーラしか、いらないのに…。〕
(177) 2013/08/02(Fri) 22時頃