[火炎放射器を担いだまま、ぐるりと辺りを見回す。
目的地付近ともなると、人通りは盛ん、なのだが。]
っにしても、だァれにも認識されてねェわけだ。
見事なモンだな。
[明らかに浮いている。喧騒の中、明らかに異質な格好をしているはずなのに、視線一つも感じない、なんて。
嗚呼、いよいよ幽霊か。死んだのか。
そう考えると、いつだって投げ出してもいいと考えていたはずの日常も、惜しい。
いや、違う。気に食わないのだ。
覚えもないのに死を突きつけられて、挙句死して尚ご立派なルールに従えと。堪ったもんじゃない。]
勝手に、死んだことにされてもなァ。
[ぷかり。煙が漂う。死んだ自覚のない男にとっては、その程度だった。
良いことがあるだとか、なあ、言われても。]
死んだって言いながら、七日間生き延びろ、ってのも無茶な話だし。
(177) 2015/03/07(Sat) 23時半頃