[マフラーの端をぎゅっと摘まみながら控えめに微笑む。
が、ふと一度は聞き流してしまった言葉>>112を思い出せば、ハッとしたように僅かに唇を開く。]
…癖で笑うのも、笑いたいうちに入れてくれれば。
[浮かべた笑みを取り下ろす事はない。それ以外に浮かびそうな表情と言ったら、――予想がつくような、つかないような。ロクな物でない可能性の方が高いか。]
――オスカー。
オズとか、昔は呼ばれてた。何でもいいよ。…吉、サン。
[気さくな人だ、と印象を総括しつつも。サン付けが一番しっくりしたので、そう返す事にした。彼は何と呼ぶのやら、ぼんやりと想像を起こしながら、言葉を続ける。]
…腕、お大事に。重い荷は良くないよ、多分。
["運んであげようか"…なんて親切な言葉は、お節介になる恐怖の前に、あっさりと引っ込んで。分かり切っていそうな、平凡な言葉を述べるに留める。
話が止まりそうな空気になれば、"気をつけて"と声をかけて別れたか。暫く歩を進めては振り返り、思い出したかのように"さよなら"と呟き足しただろう。]
(177) 2014/10/01(Wed) 23時頃