―― あれから ――
[少しだけ、周囲の目線が変わった気がした。
もともとよく保健室に逃げるような生徒だったから、少し浮いてはいたのだろうけれど……。
受ける目線があまり好きになれなくて、時々俯いていた。
気遣うような言葉であっても、何も返したくなかった。
けれどそれでも、あの日以来、保健室に通う頻度は少なくなった。
別に身体が良くなった訳ではなかったのだけれど。
ただ、もっとたくさん一日を確り生きていたい気持ちが強くなっていたし。
教室でも、……離れたくないなって想いが、やっぱりあって。
で、家に帰ったら、また今日も頑張った、明日も頑張ろう、の繰り返し。
ただ、頑張り過ぎて帰ってきた途端に倒れてしまうことが増えたのと、
自立した姉が多く電話を寄越すようになったのと、
母がぎゅっと抱きしめてくれることも多くなった、という違い。]
(174) sakanoka 2011/05/27(Fri) 12時頃