[貰ったメモに書かれた内容は、およそ俺のような人間宛にはもう一生かかることのないかもしれない誘いだった。こういう時どうすればいいのかわからない。会長にいきなり『花火やるの?詳細求む』とか連絡するのは正直無理ゲーに近い。マジで無理。
……すごく行きたいとかじゃない。もちろん。でも結局行けないんだろうと思うと、何かどこかしら残念に思うような気持ちがあった気もした。
荷物からボールペンを取り出して、貰ったメモ帳に一言書き足す。]
『ありがとうございます。』
[声を掛けてくれたこととか、窮屈にならないように気を使ってくれたこととか。こんなクソ気難し野郎にそういうことをしてくれる人がそう多くないことを俺はよく知ってるから。
席を立って、安住先輩のいる席まで行き同じようにメモを置く。少しだけ頭を下げた。気付かれてもなんか恥ずかしいから、少しだけ。
さっきも思ったけど、いい匂いがした。風呂入ってきたのかな。]
(173) 2019/09/05(Thu) 14時頃