[土産物屋の店主に教えられた名前は間違っていたけども。
それでも本屋の店員に声を掛ければすぐに目当ての雑誌が渡される。
パラパラ捲り、所謂オカルト雑誌かと思いながらもそのまま支払いをすませ、店を出た。]
さーて、こういうのって皆どこまで信じてるんだか?
まぁでもこんなんに釣られてくる連中なら、パワーストーンとか使ったヤツが好まれそうかな?
[生憎男はオカルトの類は信じていない。
たまに作品に使うパワーストーンだって、所謂プラシーボ効果のようなモノだと思っている。
とは言えそんなことはおくびには出さず、しれっと商品説明に石の効果も書き添えているのだが。]
ああ……そういやこの辺で身代わりの石、なんてのを売ってる露店がたまにいるんだったっけか?
[男が非常勤講師を務める中学の生徒が、黒い勾玉を見せながらそんなことを話していたのを思い出す。
買う気などもちろんないが。
ある意味商売敵かもしれない相手、偵察しておこうと、露店を求めて歩き出す。]
(171) 2016/06/15(Wed) 00時頃