[その可能性は考えなかった。 星なら夜じゃないと、という彼女に じゃあ夜に来れば良かったとボヤき気味に笑う。 階段を上りきった軽い疲労も 心地良い風に飛ばされていくみたいだ。 眼前に広がる景色、それに、 彼女の短い髪やシャツが揺れる様を眸に映す。] …………え?[見惚れていたから、 彼女の問いに気づくのに遅れる。] あの用務員のおじさんが星の精なら、 俺にも視えるよ。[冗談めかして笑ってから、静かに首を振る。]
(169) 2018/09/03(Mon) 10時頃