[救急箱を取りに行く途中に彼から声を掛けられて、少しだけ切れた切り傷を見せて]
大丈夫ですよ。少しだけ切ってしまっただけですから。
今日は何をやってもダメですね。
[ぺろっと舌を僅かに出して、困った笑顔をしてみせては救急箱に手を伸ばす。
無意識に出た名前は自分で言っていることにすら気がつかない。]
…え?
[隣で彼が返事をする。驚いた表情を見せて振り返り、傍らに佇む彼は姿勢を正して待っていた。
何か言ってしまっただろうかとしばらく考え、手紙を見つけると「あ。」と自分が"彼"の名前を呼んでいたことに気がついた。その名前は目の前にいる"彼"と夢の"彼"。偶然にも同じ名前だということに初めて気が付き、しばらく彼を見つめてしまった。]
ふふ。申し訳ありません。
あなた「も」"ベネット"でしたね。
[救急箱から消毒と絆創膏を取り出して、処置を施そうと机に向かった。
一緒に手紙も手にすると、彼に差し出して中身を見せた。彼が読んでいる間に処置は終えるだろうか。]
(168) BAlliance 2011/11/28(Mon) 11時半頃