[腰を苛む鈍痛から、動作は非常にゆっくりしたものだった。
何とか回収したジーンズと濡れて張り付いたシャツをざっと手洗いして絞る。
それを適当な場所にひっかけて、乾くまではいかなくても湿る程度までにはなんとかしようとする。
ざっと、身体にこびりついた体液を洗い流した。
そこで一息つく。
先ほどは熱に後押しされるように大胆な行動もとれたが、今は、酷く怖い。
シメオンが此方を見ていない事を確認して、意を決して後孔の淵に指を引っかければ、何かを期待しているのか浅ましくキュゥとすぼまる。それをやり過ごして指を入れれば、残っていた白濁がどろりと指を濡らす。]
ぅ……ふ……
[1人後始末をする行為が、苦しくて、情けない。
同じ浴室内に彼がいることを自分に言い聞かせ、頭を真っ白にしてただただ掻きだすために指を動かす。
けれど、いつしか目の端から涙が零れていた。
歯を食いしばって声は出さないようにはしていたが、時々密やかにしゃくりあげる音が水音に混じっていただろう。]
(167) 2014/10/30(Thu) 00時頃