―ある街での出来事―
[ヒトがヒトと戦って、ヒトを殺しては喜びの声を上げる。
天の女神はその様を静かに見つめながら、地獄と化したその道を真っ直ぐ歩く。
うち一人が、彼女に襲い掛かり、その首を刎ねた。]
……酷いわね…。いきなり殺すだなんて…。
[頭だけになった彼女を、身体だけになった彼女が拾い上げて、首を繋げた。]
死んじゃったじゃない…。私不老不死じゃないんだから。
[命が一つ尽きたと、文句を告げながら、自分を切りつけた悪魔に微笑みかけた…同時、その悪魔の身体を赤と黒の雷が襲いかかる。
次の瞬間には、煙と化していた。]
弱いわね。邪魔されないように散歩しなくちゃ…。
[悠々と地獄の街道を歩く姿は、凛としていて。
彼女に触れようとした悪魔は、触れる事無く煙へと変わっていく。
攻撃するわけでもなく、防御するわけでもなく、彼女はただ
"歩き"そして、"笑いかけるだけ"]
(166) 2011/06/11(Sat) 23時半頃