[腕の中でアイリスが落ち着いていくのがわかる。お礼をいうアイリスに]
いいのよ。それに、お礼をいうのはわたしの方
[アイリスには自覚が無いかもしれないが、止まりかけた自分を引き戻してくれた。お陰で今は冷静になれた。
再びどうしようかと問いかけるアイリスは、もう先ほどとは違っていた]
とりあえず宿に戻りましょう。クラリッサとセシルに教えてあげなきゃ。これは命に関わる大事なことだし。特にセシル。最近この村に来た旅人なんて、ここの連中の恰好の的だわ。二人より三人、三人より四人よ
[胸は不安でいっぱいだし。今の冷静さなんて、風が吹けばどこかに飛んで言ってしまうだろう。正直うまく笑えている自信はなかったが、それでもアイリスを不安にさせたくなくて、今できる精一杯の笑顔で笑いかけた。
アイリスに用事があれば一緒に行動するだろう。もしなければ二人で宿向かうだろう]
(163) 2013/08/02(Fri) 21時頃