― 後日:移動クレープ屋 【ねこのくしゃみ】 ―
[一体何処からどうやって現れたのか。
ぼんやりと街中で紫煙を揺らす男の前に、現れたのは何時ぞやのクレープ屋。>>@4
それは最初から其処に止まっていたかのようにそこにあり、しかし先ほどまで無かった事を、黒い男はよく知っている。]
別に、それなりに普通で、
…それなりに何時も通り忙しい。
[仰代と百洲の件や、幸々戸の長男、その他の家の事や、開かぬ門。無用の聖痕。降り落ちる奇跡のバーゲンセール等々エトセトラ。
その全てに頭を痛めて吐いた物のそれを部外者に漏らす理由も無く。
結果答えはぼちぼちと、肺に吸い込んだ煙を甘さ漂う空気に混ぜ込んだ。
勿論この路上は、喫煙禁止。]
代金って、
…あー、そんな事も言ったっけか。
[あれはたしか、幸々戸の長男の長男に言った奴、か。
目覚めぬ痣無しを思い出し僅か眉間に皺を寄せるも、まあ、彼との戯れなら叶えてやらん事もない。
懐の財布からヨレた千円札を取り出して、これで足りるかと問うより先、]
(162) mzsn 2015/09/24(Thu) 06時半頃