[会えるまでは泣くまいと思っていた。 名前も呼ぶまいと思っていた。 涙を流せば喪失が本当になってしまう気がして。 再会の喜びになら、いくらでも泣こうと思っていたから。 しかし、些細な思い出に決心は容易に覆されて、涙は壊れたように止まらない]探してるの。会いたいの、だいじな人なんだ。生きてるかどうかがわかるだけでいい。どこにいるの──クシャミん。[おとなしく抱き上げられる仔猫は人の言葉をもたないようだ。 ただ、ごろごろと喉をならしてなついてくれる相手に、一方的に問いかけた]
(162) amane 2014/06/07(Sat) 23時頃