― 桃園学園・保健室 ―
[眠り王子の名前が上がれば、苦笑交じりに目を細めて]
理事長は何でもお見通しですね。
禰多くん、来ましたよ。いつも通り眠そうで。
でも成績はいいと聞いていますから、要領がいいんでしょう。
[理事長が計画書を捲る>>106、のを、ほんの僅かそわ……とした様子で見る。安心だなあ、の言葉が出るとほっと表情が緩んだ。
素直な嬉しさと、どこか懐っこさの滲む笑みは、生徒の前では見せない顔だ。]
いえ、これも僕の仕事ですから。
……え、花火? ああ、柊木くんは『爆弾魔』から『花火職人』になったんでしたっけ。
屋上、屋上ですか……ちょっと確認します。でも、きっとできるようにしますよ。
[はにかんだように目を伏せてから、花火師。と聞いてえっという顔。屋上を開放して花火、というのは勿論、生徒達は喜ぶだろう。実現させてやりたい気持ちと安全管理責任の狭間で少し考え込むように唸って、前向きな答えを返した。
フェンスの建付けなど、いくつか確認の必要がありそうだ。後で屋上を見てこよう。]
(160) 2022/09/03(Sat) 13時頃