[食事より先に注文するプリンにはしゃいだかと思えば、慣れた手つきで名刺交換>>150を行う。
近年稀に見る高低差を体感しながら、浮かせた腰を下ろす。]
うん、好きが高じて仕事にしちゃった。
……そんなこと言われるなんて思わなかった。
ありがとう。すごく、嬉しい。
[好きな気持ちだけではなく、向いていると思ったからこその選択だ。
だからこそ10年越しの感想は喜びと共に自信へ繋がる。
慣れない言葉であることに変わりはないが、先程よりもずっと素直にお礼を伝えることができた。]
え、あー……いや、私だって、その……。
[つい口を滑らせた、過去の秘密。
アイラインをなぞるように左右へ視線が泳ぐ。
足された言葉に正面へ戻った瞳は強く相手を見つめたが、それは元々の目つきから来るもの。すぐに下がった目尻が安堵を滲ませた。]
(160) 2019/11/24(Sun) 00時頃