此方こそ、意地の悪い真似をして悪かったよ。君のくれた"お友達"のお陰で、私のサボテンも嬉しそうだ。
[受け取った菓子折りを手に、軽く目を伏せて詫びの言葉を告げ。そうして一度玄関の奥へと身体を移動させたなら、そこに置かれた二冊の本のうちの一冊を手に、もう一度彼女の前へと姿を表す。]
探し物はこれかな、郵便屋さん。
[そうして差し出した本は、果たして受け取っては貰えただろうか。受け取って貰えたのなら、男は僅かに安堵したように、小さく目を細めてはみただろう。]
…しかし困った。
君はこうして、非礼を詫びに来てくれた訳だが…昨日の件に関しては、私の方にも十分に非がある。
[――ぽつり。腕を組み、片手を顎へと当てながら男は困ったように言葉を紡ぐ。
降ろした視線を再度、少女へと戻し。少しの間彼女の反応を伺ったのなら、続きの言葉を唇へと乗せる。]
(160) 2014/10/03(Fri) 21時頃