ぐ
うぇほっ、… ぇ、
[込み上げる嘔吐感に血の気が引く。そうか、僕が人間になったのなら、この胃の中にあるものはどうしようもなく身体に合わないのだ。]
げほっ、ぅえ、 ぇる、―――
ぐ 、 っは あっ、 、 ぇろっ、
[おさえられない。息苦しさに汗もういて、気持ち悪くて、]
んぅっ … ぁ、う ぐ…
[喉から、胃から、口を通して、先ほど詰め込んだ肉の欠片がぼたぼたと落ちる。よく噛まなかったのでひとつひとつが大きかった。液体の方が鼻も通った。
見下ろすとヤニクの身体があって、そこにはもう戻れないのにその一部だった肉片が、血液が、ぼたぼたと、埋めるように。
血のにおいが充満している事を、不快に思うのははじめてだ。口元や鼻を狼になった時に落ちた服で拭って。 息も絶え絶えにヤニクを見、―――…]
(160) taru 2018/04/07(Sat) 04時頃