[リビングに入ると、キッチンの方をそっと伺う。
食事の支度をしている気配が伝わってくると、改めて周囲を見回してからコートを脱いだ。
食事をしたらすぐに帰ろう、と心に決めながら空いた椅子の背もたれにコートをかけ、隣の椅子を引いて座ってみる]
……。
[好奇心が赴くままに周囲を眺めるも、一人暮らしの女性の部屋をあまりジロジロみてはいけない、という遠慮が働いて手元に視線を落とす。
テーブルの上に両手を組んでそわそわしていると、キッチンから小さな悲鳴が聞こえて顔を上げた]
どうかしました…?
[声をかけてみたが、応答があったかどうか。
やがて彼女が姿を現すと、胸の前で組んだ手の指先に血が滲んでるのに気づいて席を立つ]
大丈夫ですか?
[声をかけながら近づき、傍らで傷口の様子を伺おうとする。その時、彼女の口が動いて呼んだ名は…]
(159) vitamin-girl 2011/11/28(Mon) 02時頃