[ジャンヌの独り言のようなつぶやきは耳へと届き、思わず笑ってしまう。] あはは! オレもジャンヌは敵じゃないと思ってるよ。 敵だったら、オレを助けたりしない。 だろ?[これが正論だ、と言わんばかりににやりと笑ってみせる。敵か、味方か。先ほど大広間でそんなやり取りを数度繰り返したばかりだ。皆"あの声"に戸惑い、相手の出方を窺っているのだろう。大広間では絶えずちりちりとしていたあの嫌な感じが、この少女からは不思議としなかった。少年に対しての邪気を感じられないからかもしれない。先ほどの助けてくれたという事実と、直感。それだけで、今の少年にとっては充分だった。]
(158) 2012/05/24(Thu) 16時半頃