こ、の、見んな……!
[ヨアヒムのにたつく顔を見ると、ぎりと鋭い眼光を向ける。>>122
苦悶の声が止まらぬ口元から、ひとすじ唾液がこぼしながら。
薄笑いを浮かべるメアリーが臀部から離れると、腰を下げ身を縮める。
射殺すように彼女を見据えた]
……っ、
ふざけん、な……!
[小汚い皿を眼前に置かれると、その視線はさらに強くなる。
反射的に立ち上がろうとして、中のバイブに苦悶の声を出す。一瞬、痛みとはべつの場所をかすって声が少し上擦った。首を振る。
盛られたチョコレート菓子を、まじまじと見て。ヨアヒムを一瞬だけ長め、メアリーを見返し、歯噛みして、床の両手を握りしめた後。
そっと、皿の菓子にくちづけた。歯というより唇で噛み、すぐに頬張る。
溶けそうなくらい甘く、それが余計にプライドを削る。
怒りをぶつけるように、あるいは許しを請うように、眉を上げたまま上目遣いに彼女を見た]
(158) 2011/03/11(Fri) 21時半頃