[眉を寄せて睨まれたような気がして、>>153 千秋はやはり怒らせてしまったらしいと、ひるむ。しかし、少女はぺこりを頭を下げて、名前を教えてくれた。
自分の行いばかりが感情任せの子供っぽく感じられて、千秋は後ろめたさを得る。]
あ……そっか、自己紹介。
僕は千秋、言います。よろしゅう。
[同じように自己紹介をしていた五十嵐の、何をするにしても動かなければ始まらない、という提案>>154 に、千秋は小さく頷きをかえした。出入り口、の他に何か探さなければならないものはあるだろうかと、自問する。]
そしたら、出入り口と一緒に、電話とかも探してみます? あんまり、通じる気はしいひんのですけど。
[言いながら、千秋は視線を玄関ホールへ向けた。本当に扉が開かないのか、試してみたくはあったけれど、それをすればまた角が立つだろう。
千秋はすぐに玄関ホールから視線を外した。まだ名前を聞いていないピエロの男を見やる。この人物については、あまり不安を抱いていなかった。これまでの行動から、格好とは裏腹に真っ当な大人、という印象が強い。きっと、名前を教えてくれるだろう。**]
(155) 2015/02/01(Sun) 15時頃