人狼議事

246 朱桜散華


【人】 手妻師 華月斎


 「だからというわけじゃないが、
  少し前、境奈の志乃が戻ってきたろう。
  お前、ひょっとして、―――」

[口元をにやりと笑みに崩して、胸の前で両の腕を組む。
 年長者の勘と言い、覗き込んだ丁助の表情はどうであったか、果たして。]

 「……ふっ、くく。答えんでいいぜ。
  俺は俺の血筋を厭うているけど、厭うなりに
  橘の業を背負うと決め、女とは別れて来た。
  でも、お前が好いた女とどうにか上手く幸せになれりゃ、
  杯の酒が少ぅし旨くなるんだけどな」

[十代の盛りを離れて過ごしたゆえの距離感も影響し、
 彼が橘本流の力に劣等感を抱いている>>114ことは知る由もない。
 ただ、持つ者が持たざる者を時として羨むこともある。
 愚痴聴きの礼と共にほんの僅かな後押しなどもしたが、
 丁助の太公望たる今を思えば、それは凶と出たのやも知れず、
 ほんの僅かな引け目と後悔を抱いてもいる*]

(153) 2016/04/24(Sun) 10時頃

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