あ、ちょっとすみません。
[有馬の元を離れ、キッチンから出る。
男が近づくと警戒するかなと思いつつ、先程から注文もなく難しい顔をしている少女が気になった。>>145]
どうも、いらっしゃいませ。キッチン担当の乙坂と言います。
さっきはうちの奴に連れられてきたみたいだけど、まだ悩んでるみたいだったから。
メニューがなくて困ってるようなら、「何が食べたくないか」で絞り込むこともできるよ。
[メニューがなくとも此処はレストランで、客の中に明確に「料理の記憶」があるならば、ここまで悩むことはないだろう。
もしかするとそんなに空腹ではないのかもしれないし、体調不良やアレルギーを持っている可能性もある。
「食べたい」を主張できるのはこの店の利点だが、その主張を持たない客に「食べられる」経験を増やせるのもこの店の利点だと乙坂は考えている。*]
(153) 2019/11/23(Sat) 23時半頃