[異形が地に落ちて動かなくなり、周囲は少しだけ静かになる。
それと同時に、飛べそうなくらい軽かった身体が、一気にずしりと重くなった。
ほんの数体倒した所で、この騒動が収まるはずもないのは明らかだったが]
他に誰か……いないのか?
[引き摺るような足取りで、それでも娘は歩き始めた。
地上よりも少しは見易かろうと、屋根からは降りなかったが、先のように軽々と通りを跳び越える力は残っていなかった。
幾つかを渡り歩き、いよいよ座り込んでしまいそうになった所で、娘はようやく赤くない人影を見付けた>>147]
……一にい?
一にい、大丈夫か?
[その人物は、倒れてはいるけれど怪我は負っていない様子で。
周囲に散らばる衣服や骨は目を背けたくなる光景であったものの、まずは彼の無事を確かめようと近付いていく]
(153) 2014/02/16(Sun) 22時半頃