[操られた人間の体を麻痺させ、心の中で謝りながら打撃で気絶させたり、とそうこうしているうちに、次は吸血鬼と眷属が近づく。自分が行動不能にさせた人間数人を背に、彼らを守るように対峙する。]
ルルゥ
《…こうなっちゃうよね。》
[それでも、殺したくなかったのだから仕方無い。彼らを生かしても、どうやってここから救出するかという問題も残ってはいるのだが。
尤も最大の問題は、吸血鬼や眷属に爪を振るえるか、だ。]
(ッ、)
[何も思い出せない、筈なのに。爪は命を奪うことに躊躇いを見せた。振るった攻撃は、浅く薙ぐだけに留まり、眷属からの攻撃を受ける。厚い毛皮の前に傷らしい傷は負わないものの、戸惑うように退く。]
[火薬による煙が晴れたなら、丁度退いた直後、眷属と対峙した狼がミツボシとケイイチから見えるだろう。]
(151) 2015/01/18(Sun) 16時頃