あれだけ広範囲を損傷させるという事は、多分傷が広範囲に及ぶのでしょう。何度も刺したとか…
となると……話は全く逆になってきます。一見するとかなり力業での殺害に見えますが、実際は力が入らず何度も刺したのをカモフラージュしたのではないかと。
となると、わざわざそのような事をする意味があるのは…
[女手である私と、三ツ星さんと…しかし、三ツ星さんにはやはり彼女が言うように殺害の動機に乏しいのです。
……けれどもう一人。腕を負傷していて力の入らない方がいたではないですか]
………いえ。これは演繹的に導かれた確実性のある証拠とは呼べません。状況証拠と呼べるかすら怪しいです。ただ…
[私の視線がその方の方に向いている事に気づかれた方はいたかもしれません。私はおそらく、信じ難い、考えたくはない、そのような顔をしていたでしょう。
あの犯行現場……
もっともあの状況を作るに自然なのは、他ならぬ狼哭館の後継者として皆さんが筆頭に考えているはずの芽瑠さんに他ならなかったのですから]
(147) 2017/12/18(Mon) 22時半頃