[サミュエルが「力」のことを報せた相手は、この場の面々を除けば、あとは永遠に死した者しかいない。
それ以外の他の誰にも言えぬまま抱えていた秘密だったから。
シーシャ>>122がこの時話したように、クラリッサが労わりの言葉掛けてくれたように、その思いを推し量られることも、これまで無かった。]
ああ、色々と、な。
[判ってしまった苦痛も。
判らなければという責任も。
判ったが故の安堵や、そこから進んで得られた繋がりも。
そしてその相手さえも失ってしまうのではという不安も――。
ふっと伏せそうになった黒い目は、感謝の言葉が続いたことで瞬いた。]
そ、っか。
だったら……どう致しましてってとこ、か。
[この時、シーシャのことを信じ切れるだけの強さはなかったが。
彼の言葉そのものは、確かに、心の内に響いていた。]
(146) sakanoka 2013/12/10(Tue) 00時頃