……ぁ。
[銀の蝶からの口吸い>>128を享受して。顔を離せば互いの口と口との間に銀の橋がかかったろうか。
花房を垂らし、笑もうとすれば――一番、聞きたくなかった名をその銀の蝶が叫ぶ
もしかして、と振り向けば立ち去ろうとしている朧がいて。其の背を見れば何故か胸が痛んだ
指導しておけと此方の腕を掴んで彼の元へ送り届けようとする蝶
買う気が失せる、それはそうだろう。割れた鏡など誰も欲しがりはしない
脳裏に花主からの伝言が鳴り響く
――鏡が割れたならば、他の花を傷つける前に捨てねばならぬ、と
ならば今の自分はその腕掴む蝶も眼前の朧月をも傷つけ膿ませるのだろうか
おやめ下さい、と小さく云うもどうやら対面するまでは離してくれそうになく
面と向かい合わせになったのを確認すれば、銀の蝶はひらりとその場を去ったろうか]
(145) 2014/09/18(Thu) 21時半頃