……もしかして君が"三月の兎"か。
立派な耳と尻尾をお持ちだね。
お茶会では会えなくて残念だよ、体調でも崩したのかな。
あぁ、それとも……私がお茶を飲めたのは、君が居なかったお陰かな?
[頭の上で揺れる耳と、ちらりと見えた兎の尾と。それと彼の発した言葉と卵との話の流れから、恐らくは彼が"そう"なのだろうと判断し。
疲れ混じりだとは言えど、やはり言葉には皮肉を無意識に混ぜ込みつつ。背に付いた木屑を取ってくれた事には、軽く目を伏せ短い礼の言葉をひとつ。
そうして、彼が口にした次なる言葉。
"空から女王"のその言葉に、顔に乗せた笑みを僅かに潜めて傍に居るであろう少年の姿を――忌々しくはあったが――再び、視界へとねじ込んだ。]
………女王?
この……、"少年"が?
["女王"と言うくらいだ、歳はまぁ良しとしても、少なくとも性別が違うだろうと。三月兎、そして小さな"女王"に向けたその視線からは、そんな思いが見て取れただろう。]
(145) 2015/06/21(Sun) 00時頃