それで、これ。
とりあえず、手元にある分を持ってきたんだ。
[入れ替わり、手のひらほどの麻袋を取り出し。
テーブルの上で開けば、いくらかの珊瑚。
使えるようならどうぞ、とオルゴールを視て貰ったお礼代わりに差し出して]
はあぁ、暖まるね。
温かいミルクの風味って、どうしてこんなに、ほっとするのだろ。
そういえば、昨夜はご馳走様。
支払いもだけど、歌。途中からしか聞けなかったけど、素敵だったよ。
あんなしっとりと歌えるなんて、知らなかったんだ。
[ミルクティーで手と喉を温めながら、ぽつぽつと世間話。
最後の一口を飲もうと、首を傾ければ、星の映るランタンが視界に入った。
客から持ち込まれたランタンの姿も、見ることが出来ただろうか]
暖まった暖まった。ありがとう。
――…大きさも、デザインも、明るさも、きっと皆違うけれど、違うからこそ、坂を飾るほどに集まったら、星みたいに美しいのかも。
(144) 2011/04/18(Mon) 15時半頃