[そう時間も掛からぬうちに、サポート系ヒューマノイドが注文した品々を運んで来る。
それを待つ間、ふと先程の廊下でのやり取りへと思いを馳せた。
異種族の多いこの船で、同船者達の個性はさまざまだ。
中でも一番無機質な様相であるはずのエスペラントとモナリザには、何処か父母のような暖かみを覚えていた。
アシモフがナスを所望している、との言葉に軽く双眸を瞬かせてしまったのは、ナスの方が大きく、アシモフが食するには大変そうだと感じたからで。
尤も、その小さな口に合わせ、きちんと細かく調理するのだろうけれど… 不躾にも、酷く愛らしい光景を想像してしまい。
同じ"食事"でも、ジャックの食の幅は広いようだった。
主食ではないとの返答に興味を覗かせる。
"微妙"だけど食べてみたのか、或いは"微妙"ではないかもしれないと踏んでいたのか。
解らずも、好奇心はあれどジャックの食事風景を不気味だと感じる事は無かった。
尤も、興味を持つ事自体、無礼なのかもしれないけれど。]
(142) 2013/07/21(Sun) 21時頃