[そんな中。いつ迄経っても塀の上から動こうとしない"卵"から向けられた警戒の色と、そして声>>123に。
男の視線は、再び広場を囲む塀の上へと。]
……あぁ、自己紹介が遅れたな。
御機嫌よう、"卵≪ハンプティ・ダンプティ≫"。
私の名は"アリス"。……と言っても、恐らく君は"知らない"だろうけどね。
[全くもって、不可解だ。だってそうだろう?自分の居るこの世界は"不思議の国"だと思っていたのだけれど。
なのに傍には"チェシャ猫"、塀の上には"卵≪ハンプティ・ダンプティ≫"ときたものだ。何もかもが出鱈目で、意味がわからない。
――そうして、もう一つ目に付いた"意味がわからないもの"。
卵の手のひらに握られた白い……自分の記憶が正しければ、マヨネーズに見えるその物体に。
男は怪訝そうな、それでいてうんざりとしたような視線を向ける。]
(141) 2015/06/21(Sun) 00時頃