―― 第一棟・廊下 ――
失敗、ね………。
[ 男はぼうやり、彼の言葉>>110を反芻した。 反芻して、そして目を逸らした。
彼が彼女を出した犯人と言うことは解った。…それだけである。失敗と言われる張本人と、彼の心中を測り、男はそれ以上を追求することは無かった。 ]
何、大方、お腹が空いて暴れてしまったんでしょう。
秘密棟に居続けるのも、飽きますしね。
[ ゆらり、揺らめく影をそのまま、男は唐突に泣く彼女>>111にまた足を寄せる。
―――気性が荒いとは思っていたけれども、まさか、泣くまでとは。
あまり秘密棟へ足を運ばせたことが無い分、彼女に他の管理人よりかは触れ合う機会も少ない( ように思う )。
故に生の彼女の反応は、ただただ驚愕やら、なにやら。……あまり良い気分で無いことは確かであった。
―――そう。流れた涙の意味さえ、察せないまま。 ]
(140) 2015/07/11(Sat) 02時頃