[男の声に振り向いた"時計ウサギ"の顔>>123に乗って居たのは、チェーンの付いた丸眼鏡と――"何もない"表情と。
頭の上でゆらりと揺れる、"可愛らしい"兎の耳とは裏腹なその表情は、何やら酷く気難しい人物らしい、という印象を男に与えはしただろうか。
だけれど、彼が口を開いたのならばその限りでは無い。
――尤も、吐出された言葉は男にとってはあまり気持ちの良いものでは無かったけれど。]
あぁ、君が"時計ウサギ"だと言うのなら、恐らく私は"そう"なんだろう。
……我ながら、酷い配役だとは思うがね。
[自分を見る彼の視線や動かぬ表情からは、その内心を推し量る事は出来はしない。だから彼が男の配役をどう思っているかは、知ることは叶わなかったが――何方にせよ、男の心境も同じものなのだ。
表情を動かさないまま吐き出された息の中に混じる、僅かな嘲りの色には。ほんの僅かに目を細めはしたけれど、特にそれ以上気にする事は無く。]
(140) 2015/06/18(Thu) 19時頃