人狼議事

194 花籠遊里


【人】 営利政府 トレイル


 ……考えたこと、無かったな。

[そうだ。此処に来た時から、自分は籠に囚われる人を――花としか思わなかったのだから。
人の仮初め花と蝶。咲く苗床さえ陽の当たる場所であったならば、彼の銀月と――どうして出逢っていただろうか。]

 …外は、そうだね。
 ――イイ所ではあるけれど、ワルイ所でもあるから。
 外に咲くなら、蝶をちゃんと引き留める蔦を持たなきゃ。

[ぼんやり頭を埋める夢想。花の言葉もまた幻夢なのだと心の隅で知りながら。されとて夢は追い続け。射干玉が目蓋に隠されてしまったことなど、その後ろからでは知ることも無く。
花が花として芽吹いた所以を尋ねたくはあったけれど、其の言の葉を紡ぐには躊躇いが残ると、髪を拭う指先にちいさく力を込めながら。

牢の中、ぼんやりとした薄暗さの中、寂寥さえ交えた笑みを蝶は浮かべて。籠に来る前外の景色。ただ綺麗な「恋愛」物語だけでは無いと、譬喩を飾りながら宙に吐いた。]

 籠の外、行って見たいと思うことはあるの。

[どうせ今宵の此れもまた夢の続き。
微温湯に浸かる様な微睡みの中、蝶は花に夢を綴る。]

(138) 2014/09/18(Thu) 21時頃

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