[ なぞるような撫でるような、けれど触れることはない動き。>>112
煙が流れてゆく様を彷彿とさせられた。
ただその仕草を目で追った。日常に帰還した頭が意図を問うことを選ぶ程の時間は、そこには無かった。
隣人が思っていたよりも綺麗な指をしていることに、今更気づく。 ]
いいえ。
必要があれば、何度でも呼んで下さい
[ 辿り着いた指先が迷子を掴めば、あっさりと引き抜けただろう。
この異質を終わらせることに憂いはもう、無くなっていたから。
普段相手から受け取っているような、答えにならない答え。
互いの手が握手にも似た形を作る状況では、まるで重大なことを告げたようであったが
ほんの少しの踏み込みで何かを知った気になり満足した男は、先程の様子を気にしていたわけではなく。
当たり前にあると思っているこれからについて、ごく自然に口にしただけだった。 ]
(137) ガラシア 2021/02/21(Sun) 16時頃