[未練はある。もっと前から努力していればもしかしたらという思いもある。
だがロビンと違い、ヴィーの話をいくら聞いても建築の分野に興味を持てなかった自分では、たとえ学力が足りていようといつか違う道に進むことになるのは明らかだった。
どうあっても進むべき道が別であるのならば。
すべきことは後悔ではない。前進だ。
わかっている。ずっとずっと悩んで出した結論なのだから。
ただ、ただ。その結論を受け入れるための時間と、……子供のような甘い甘い夢に別れを告げて大人になるための時間がほしい。
そして今、ロビンにこの話をする必要はない。
万が一にもロビンが志望校のレベルを下げるだなんて言い出したら、そっちのほうが大事で、自分は怒るだろう。
大人になって……酒でも飲みながら、そういえばこんなこともあったんだよって笑い話にすることができれば、それでいい。
――だから、その未練のカタマリである"あれ"は、ロビンに見られないように回収しておかないといけないんだ]
(137) 2011/08/25(Thu) 10時頃