……ご心配、痛み入る。
安心してくれ、君の言う通り "大丈夫だ" 。
[立て続けに起こった出来事の所為で、あまり長々と話す気にもなれず。ただそれだけを返したのなら、続いた少年と青年の会話>>109>>117をぼんやりと聞き。
――その中で聞こえた、"卵≪ハンプティ・ダンプティ≫"という単語。
それには僅かに眉を寄せて、塀の上に陣取ったままの貴族服に身を包んだ男をそっと観察した。
同時に聞こえた、"ヘクター"と言う名。流れからしてこれが彼の名なのだろうが――それは矢張り、自分には聞き覚えのない名前だ。
しかし、その事に考えを巡らせるよりも早く。"卵"の口にした名と、視線の先に見えた新たな来訪者>>101に男はうんざりと肩を落とす羽目になる。]
……にわかに、賑やかになって来たじゃあないか。
何だ、今度は此処でパーティでも始まるのかな?
[皮肉気な口調はそのままに、しかし声には疲れの色が濃く滲み。だけれどそこに先程見かけたチェシャ猫の姿>>118を認めたのなら、この意味のわからない状況の中で唯一まだ、マシに理解出来る存在である彼に、内心僅かな安堵を覚える。]
(137) 2015/06/21(Sun) 00時頃