―絵を描いて貰った春の日―
[自分から絵のモデルを申し出た。それも、特に予告もなくいきなり。
だから、ピスティオ>>71>>72>>73からろくな返事も得られないまま眉を顰められた時は、「やっぱりダメか」と言いそうになった。
けれどそんなマークの諦めに反して、ピスティオの手は動き、スケッチブックと画材の擦れる音が微かに聞こえた。。
モデルとなったこの長髪の少年は、驚きやら何やらで鼓動を早くしながら、その場でじっとモデルを務めた。]
……綺麗だ。
[出来上がったポートレイトを目にした時、マークは思わず、真っ先にそう零した。]
あ、ありがとうございます!
綺麗に見えて――綺麗に描いて貰えて嬉しいです。
っていうかやっぱり、絵、巧いんですねー…。
[素直な感謝は、やがて軽い羨望混じりの感想へと続けられた。
ともあれこうして、マークは「ピスティオから見た今の自分の姿」をはっきりと目に焼き付けて、その場を後にした訳だった。]
(137) 2018/05/15(Tue) 22時頃