[泣くロビンの背中をゆっくりと撫でながら、夏休みに入る前のことを思い出していた。
進路相談。
……東のとある国とは違い、この国では大学への願書は新学期開始後――9月から提出するのが一般的だ。
その後、それまでの学業成績に応じて合格、不合格が決まる。どの成績がボーダーになるかは大学によって異なるので、通常は自分の成績で進学できるランクの大学を選ぶ。
志望があいまいなままだった自分は、他の生徒よりも少し長い指導が行われていた。そして結局、結論は夏休み明けに持ち越しとなった。
……同じ大学に行くのは無理なのだとずいぶん前からわかっていた。
わかっていたのに、……"それ"を持っていた。
お前には似合わないと笑った悪友たち。
思っていたことをストレートに外から言語化されて、悔しいとも悲しいとも思わなかった。
主観で思っていた事実が、客観でもそうであると理解しただけなのだから]
(136) 2011/08/25(Thu) 10時頃