人狼議事

30 ─今夜、薔薇の木の下で。


【人】 掃除夫 ラルフ

─ 中庭/茂み ─

[なるべく存在しないものになろうとするかのよう、息を潜める。
 セシルはフィリップに半ば抱えられるようにして寮へと戻って行く。セシルの瞳の変化にラルフが気付くほどの距離には居ないにも関わらず。
 フィリップの肩に回されたセシルの腕のしどけなさ。巻き毛に隠された輪郭、薄く開かれたまま吐息を零すくちびる。]

… ぁ

[心臓の音が耳には五月蝿いほど響き、本を抱えている腕が震えた。
 こんなセシルは見た事が無かった。フィリップはあのセシルの側に居て、何とも無いのだろうか。それとも。フィルはさておき、それなりの“交流”や“経験”がありそうなセシルが別の貌を持っていたとしても、おかしくは無いのかもしれない。
 背筋を這う何かがとても気持ちが悪い。気持ち悪いのだけれど、濡れたようなくちびるから目が離せなかった。

 ひどく動揺しながら洗濯籠をランドリールームに運んだものの、もし此処にセシルが来たらどんな顔をすれば良いのかと、畳む事はせず、逃げるように図書室へ向かう*。]

(135) 2010/09/04(Sat) 14時頃

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