[>>116 公女様がくる、と言われても少年にはぴんと来ない。
会ったこともなければ、勿論話したこともない、人の噂で聞くだけの自分からは遠い無縁といってもいい人物だ。
しかし、すぐに一際美しく手入れがされ、上等な馬具の着いた馬が最近馬房にいることを思い出す]
へえー、なるほど。それであんな良い馬が此処にいるんだ。
開戦間近…って時に、お姫さんってのは物好きが多いのかな。
あれだろ、戦意を鼓舞するためっていっても、いつ何があるかわからないって時に危険だと思わなかったのかな。
[一介の厩舎係である少年には、上の立場の者が考える事に思い至るのは難しい。
彼なりに考えて頭をひねっていたが、直ぐに諦めたようにシチューを掻っ込んだ。]
っと、のんびりしすぎた!
じゃ、僕、仕事に戻るね!
ムパ兄もサボんなよー
[最後は冗談のように付け足して、食事を終えた少年は慌てて食堂を後にし、馬房へ向かった。
辿りつくと、再び支度をして、鼻歌交じりに馬にブラシを通していくのだった。*]
(135) 2011/06/28(Tue) 13時半頃