物騒だねェ
[のんびりと溜め息を紫煙とともに吐き、自分はショーウィンドーを眺めた。
ショーウィンドーのなかには、燦爛と光を放つ銀のアクセサリーが微笑んでいた。ド派手なスカルが乗せられたリングや、サファイアが埋め込まれた精巧な作りのリング。小さな町にしては、意外にもお洒落心を擽られる物が揃っていた。
彼には、何が似合うだろうか。]
―――――っふ、
[一人で小さく吐息を零した。
唇は緩やかに弧を描いていただろう。
買い物にそれほど悩まない自分にしては随分と長く、その店の前で立っていたか。
ウィンドーに手を当てる、濃灰色のリングが淡く光る。せっかくだし、これに近いような色が良いだろう。それほど気取らないデザインのシンプルなものを。ただし、そこには小さく天使の刻印が施されていたのは、彼が指に嵌めてから気が付けば良い。]
(134) 2014/12/11(Thu) 02時頃