──────……眩しい…。
[宇宙の闇を優しく覆う夜の翼から零れる様に、虹やら陽の光やら色々きらきらと煌めく光が閉じた瞼を刺激する。
巨大な狼の姿で眠りに入っていた獣。
かつて武器となっていた獣毛はビロードのような柔らかさを称えて、同じようにふさふさとした尻尾を獣は不機嫌そうに揺らし、光が何なのかとだるそうに頭をあげる。
いつの間にか獣の前には水鏡が揺れて、輝きの源が映し出されていた]
……元気な奴らだな…。
世界を再生させた連中なら大概の事も乗り越えるだろう。
[何事も無く日常に戻って行く命を確認し、改めて眠りに就こうと思ったが己を呼ぶ声が聞こえて耳を澄ます]
天狼か…大人しく自然と共に過ごせばいいものを…。
次元の狭間に踏み込めば天狼とはいえ、タダではすまないのに。
[はぁっと溜息をついて、宛ての無い旅を続ける天狼の少女へと結界を少しだけ綻ばせて、空間を繋げる。
そして尻尾を差し出して、天狼がそれに気付けば尻尾に乗せる様に自分の眠る空間に招き入れた]
(134) pannda 2011/06/21(Tue) 20時半頃