[抗議の声を上げれば、>>129少女の声がびくりと震えたのがわかった。
驚かせてしまっただろうか。一瞬後悔したのもつかの間、彼女の方からころころと可愛らしい声が聞こえてきて、イアンも安堵のあまりつられて笑う。]
可愛い、ねえ……。
[可愛いんだってさ、君たち。
二匹の鳩を見比べて、そうかなあ、と彼は呟いた。
籠の中のつぶらな瞳は、何の反応も返しはしない。]
俺としては、こいつらなんかよりも、君の方がよっぽど可愛いと思うけれどね。
[にこり、と柔らかな笑みを彼女へ向けて、冗談めかしてそう言えば、>>131拾ってくれた切符を受け取って。]
有り難う、親切なお嬢さん。
後は「鳩の人」じゃなくて、イアンって呼んでくれれば、もう完璧。
[ようやく切符を片手に持てるようになって、改めて座席の確認。
座席は然程遠くないようで、あと3つほど向こうの扉のようだ。]
(134) 2015/11/28(Sat) 22時頃