夜から引きずりだされると、怯えでもしてしまったかな。
……カメラを招き入れた彼女が、
そんな軽率な振舞はしないことを
信じてもいいと、俺は、思う。思っている。
[彼女が催眠を失敗したらしきを知らないままに]
……撮影班に怯えての自死など。
どうやら、自分が一番、
外に対する理解も歩みも遅いと
思っていたのは思い上がりだったな……。
彼のあゆみに、寄り添えばよかったね。
[扉向こうの「真実」の前。廊下のこちら側、既に自死を選んだものと理解したあたり、語られるサイモンの印象>>127とそう遠くないものを自ずから抱いていたらしきジェレミは扉に手を伸ばし、開かないことを確認した。これはまた後日、皆に伝えてから、開くべきだ。
突如(勘違いの)訃報に、眉根に悲痛の色を乗せ、悲しいな、と呟きもした。身の内に湧き上がるものに触れるように、ジェレミは一度、自身の胸へ手を寄せ、すこしばかり爪もたて、死した(勘違い)サイモンへの情が、そこにあることに思い馳せて]
(132) 2018/11/06(Tue) 00時半頃