……俺もだよ、マユミ先輩。
[ “迷子が怖くないのなら、”に続いた言葉には相手のそこと目線を合わせた。
頭上の厚い雲は陽の光すら差し込ませずに、夜に昇る月まで隠したろうけれど。
――雨すら降り出しそうな深く湿った匂いに、小さく鼻を鳴らす。ゆっくりと重ねたそこを力を込めれば、並ぶように引き寄せた。]
ジュース? ……ああなら、多分、こっち。
[ 勿論見当なんて付けていなかったのを、手を引く聡い相手には感づかれただろうか。
向こうが茶会と言うのだから、進めばどこかでお茶くらいは飲める場所が見つかるだろう。
……相手の持つ鞄に入った上着の持ち主が、>>121安否を心配していたり、学友>>124と会話をどこかで交わしている事などは自身当然ながら、気付く余地もなかったけれど。
ただ、と。――どちらが蜘蛛の糸を垂らしているのだろう、と>>110偶然相手と思考が重なったのには勿論気付かないままに、足を踏み出した。高等部校舎からゆったりと、その足は偶然、公園方面へと移ろいだのだったか。
片手で繋がる相手が何かに興味が向けたなら、ただその己もそれに惹かれては、自らそこへ向かっただろう。]
(132) 2014/10/03(Fri) 19時半頃