クシャ?
……ああ、そういえば、
弟さん、いるんでしたっけ?
[彼の実家が商店なのは知っていたけど、それを営んでいる弟の存在については詳しく知らずに。くろねこ。そう例えられている弟さんに、少し興味を抱くか。]
わかりました。
今度、返しに、いきます。クシャくんに。
[クシャくん。不思議な響きを口の中で転がした。
―――私のこれからの人生に、出会いがまだあるのなら。]
あ!あそこですか、画廊って。
[軽く扉をノックして。施錠がされていなければ、そこは無人でも、絵を自由に見られるか。
私は―――きっとこの世界を、いや、この小さな町ですら、知らなすぎる。ミナカタとこうして歩いてきた道は、デートというよりは保護者と子ども。そんな感じがして。
なんてことない日常、なんてことない冷たい空気、そんな中で、わらう。*]
(131) 2014/12/06(Sat) 22時頃