[>>71昔、黒猫とともに店にクリスマスツリーを飾った事を思いだす。自分は中学か高校生くらいだっただろうか。まだ母も父も健在だった頃だ。めんどくさいめんどくさいと文句を言いながら、クリスマスツリーの飾りつけを行っていた。
確か旧友と、旧友の妹も居た気がする。小さな亜麻色の妹は、天辺の星が欲しいと泣き喚いていた。
自分は辟易しながらも、注意もせず、宥めもせず、ただひたすら黙々と作業を行っていた。
早く作業を終えたら、店から出られるから。外で遊べるから。
野良猫性分はこの頃から根付いていて。
置いていかれる者の事なんて、殆ど考えていなくて。
確かあの頃から黒猫は『ツケ』という言葉を覚えた気がする。
一体どういう心境でそれを使い始めたのだろう。
自分の何を見て、あの帳簿を付けているのだろう。
いつか、とんでもない負債が返ってくる。そんな気もする。]
じゃ、な。また後で。
[別れ際、掠め取るような口付けを旧友に贈って。その場を後にした。*]
(130) 2014/12/08(Mon) 22時頃